また君に会いたいとか

日々の備忘録

【勝手に解釈】「ハニーハニー」(スピッツ)

 

 

こんにちは、トパーズです。

 

 

 

「ハニーハニー」(作詞・作曲:草野正宗は、

スピッツの3枚目のアルバム

『惑星(ほし)のかけら』(1992年)の

2曲目に収録されています。

 

 

ひたすら君をいざなう

 

 

※あくまで私なりの解釈で、

 これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。

 【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。

 

 

イメージ

 

 

好きになってはいけない君を好きになって

君以外考えられず

君を離したくない僕が

君にしきりに訴えかけます

 

知らない人だらけの街で会って

神聖な月明かりのもとで抱き合って

そしたら君は本当の気持ちを言うの?

二人で逃げ出そう、どこか遠くへ

 

いいよね!

それ最高じゃない?

 

正義に反するなんて知ったこっちゃない

 

 

 

 

 

歌詞を少しずつみていきます。

 

 

ハニーハニー 抜けがらの街で会おうよ

もうこれで無敵だ 最後の恋(①)

 

「ハニーハニー」という

ちょっとバタくさい題名が、

新鮮に見える不思議。

 

だって、

「ニノウデの世界」とか

「うさぎのバイク」とか、

「名前をつけてやる」とか

それ歌の題名?っていうのが普通に多い。

それ以前に

意味不明なものがやたらと多いスピッツ

 

しかも草野さんがそれを連呼する。

 

ここまでのスピッツにはなかったですね。

 

あの天邪鬼の草野さんが「ハニー」って言ってる、

と当時は驚きましたが

今思うと、若い草野さんが歌うと可愛いし

(あ、年を重ねると可愛くない、という意味ではないです。)

やはり「ハニー」と言ってくれて正解です!

      

「ハニー」なんて言葉を

草野さんから言われる人は幸せですね!!

 

ああ、それなのに、歌に出てくる「君」は

どうしてちゃんと「僕」に応えてあげないのか!(怒)

「僕」を苦しめてること、わかってるんでしょうに!(怒)

あ、本題から逸れてしまいました・・。

 

「抜けがらの街」は、

誰もいなくなってしまった街、

というより

他人が自分たちに無関心な街

という気がします。

 

そこなら大丈夫、怖いものなしでしょう。

 

周りから非難されるような関係の二人は

そんな街ではコソコソ隠れてる必要もないわけです。

 

何となく、妄想がかった願望のようですね。

 

 

「最後の恋」と言ってるから、

僕にとってはもちろんだけど

君もずっとずっとずっと

僕だけに生きてほしい!

という気持ちがあると思います。

 

 

ハニーハニー 月灯かり浴びて踊ろうよ

罪の花をばらまきながら(②)

 

僕たちはそれぞれの月からやってきたと

「月に帰る」(スピッツ)で言ってるので、

月の下の、月灯りの中は

二人にとって特別な場所なのかもしれません。

 

月灯りの下でだけ、二人は許されるのかもしれません。

 

lovetopaz.hatenablog.com

 

 

自分たちの関係は「罪」だけど

月灯りの中では罪さえ勲章のように

自分たちを輝かせてくれるのです。

 

それを誇らしくばら撒きながら

楽しく堂々と

罪のレッテルなんて捨ててしまえるんです。

 

 

(サビ)

ハニーハニー It's so brilliant !!  ハニーハニー僕らに

ハニーハニー It's so brilliant !! ハニーハニー天国が

落ちてくる日まで (*)

 

「ハニー」に続いてさらに英語が登場!

草野さんに、高揚する何かがあったのでしょうか。

 

なんだかこの歌は

いつもの妄想に比べて、「いっちゃってる」感が強いです。

 

そして「僕らに天国が落ちてくる日まで」

という表現!

 

やはり、どうあがいても

自分たちは表に出られない

許されない関係なのだと

わかってるようです。

 

祝福される=天国に行ける

とはならない関係なので、

それなら、いっそ

天国がこっちに落ちてくればいい。

いつか天国のほうが「折れる」だろう、と。

 

そして、自分たちの正義に抗うような関係が

悪・堕落であるならば、

正義で正しいとされる天国は

むしろ見せかけだけの偽物。

ならば、自分たちと同じ悪とされるところまで

「落ちるべき」と考えているのかもしれません。

 

 

ハニーハニー 本当のことを教えてよ

神の気まぐれ 箱庭の中

 

「本当のこと」とは?

君が僕の前にいる理由だと思います。

 

二人には何か障害があって、

世間的には許されない間柄のようですが、

それでも君は僕の目の前にいる。

 

そんな君が何を考えているのか

僕にはわからないから、

僕はいつも苦しんでいます。

 

これまでにも、さんざん

君の本心を知りたいと歌ってきていますね。

 

そして、狭く日の当たらない

「箱庭」のような世界に

僕たちは閉じ込められている。

 

君と出会って、

純粋に君のことが好きになり、

でもそれが許されず、

狭い世界に閉じ込められているのは

すべて「神の気まぐれ」なのか?

 

誰が悪い、何がいけないというのではなく

この自分たちの状況や、

君が僕の前にいるということ、

それらはすべて、

神の気まぐれによるもの、

と考えてるのでしょうか。

 

じゃあ、神の気分次第では

自分たちの状況は好転するのか?

 

すごく前向きな思い込みですが、

その考え方は、

もしかしたら、いいかもしれませんね。

 

 

ハニーハニー 隠れた力で飛ぼうよ

髙く 定めの星より高く

(*)繰り返し

 

掟によって運命が定められているこんなところより

二人にとって幸せな場所がきっとあるはず。

 

「隠れた力」は、こっそり行動することだと思います。

 

二人で逃げ出したいのですね。

 

 

(Cメロ)

旅する 二人は旅する

手探り 闇をかきわけて 

離れた心のジェルが

流れて 混じり合って はじける夜に

(①②*)くりかえし

 

逃げ出したとしても、

二人の安住の場がない限り

ずっとこんな関係を続けないといけない。

 

それでもいつか叶うと信じている。

 

心の「ジェル」という表現は

流動的な心はいつか

溶けて流れて、やがて混じり合うのだ

ということでしょうか。

ちょっと狂気じみてるようにも感じますね。

 

このCメロは、歌詞もそうですが、

メロディーも綺麗で切なくて、好きです。

 

Cメロでは、イントロからの躍動感あふれるリズムが途絶え、

静かな浮遊感で流れていきます。

まるで夢うつつで歌ってるような。

 

 

【歌の感想】

 

1曲目の「惑星のかけら」もロックで切ないけど

これも切ない歌だと思います。

 

ハニー、ハニー、

○○しようよ、と

切ないくらいにずっと呼びかけてます。

 

しかも声は暗くて、

開き直ってるような、やけっぱちのような。

 

 

実は、外国語で呼びかけるのは、

スピッツのインディーズ時代にもありました。

 

シェリーに口づけ」という歌で、

フランスの歌手ミシェル・ポルナレフの同名の歌

シェリーに口づけ」

( Tout, tout pour ma cherie )に、

草野さんが日本語歌詞をつけて歌っています。

 

この日本語歌詞がとんでもなく切ないです。

今までのスピッツの詩の情感と同じ、

君の心にどうやっても届かないという

虚しさや苛立たしさの原型は

インディーズの頃に既にあったんですね。

 

そして、題名の

シェリーに口づけ (Tout, tout pour ma cherie) 」

これはシェリーという人に口づけする意味ではなくて

「すべてを僕の愛しい人に」という意味だそう。

 

歌の中で草野さんが「 Tout, tout pour ma cherie 」と

連呼しているのは、

まさに、この「ハニーハニー」と同じですよね。

 

草野さんの日本語歌詞は原詩に近く、

アレンジも演奏も原曲に近く、

後半の転調もちゃんとあって、

とても素晴らしいです。

 

荒削りだけど切々と訴えかける

若い草野さんの声が何とも可愛くて素敵です。

 

 

あ、話が逸れました。

 ハニーハニー」の歌に戻します。

 

この歌の、「天国が落ちてくる」という発想は、

島田雅彦著「天国が降ってくる」を連想しました。

小説は昔の自分にはよく理解できなかったけど。

(今の自分はもっと理解できないと思う)

 

どんなに焦がれても手に入らないなら

いっそ、壊れて落ちてくれば・・・

という苛立ちや無謀さは

狂気を孕んだ、若さゆえのものでしょうか。

 

 

「ハニー」という可愛らしい呼びかけや、

軽快でポップなサウンドだけど、

それとはうらはら、

君の心がつかめない苛立ちや焦りに満ちています。

 

かなり妄想が強い歌だと思います。

草野さんの声も終始暗い感じです。

合間に入る「ヘイ!」という合いの手?も、

きっと妄想上のものですよね。

 

 

 

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。