また君に会いたいとか

日々の備忘録

【勝手に解釈】「ラズベリー」(スピッツ)

 

 

こんにちは、トパーズです。

 

 

 

ラズベリー(作詞・作曲:草野正宗は、

スピッツの5枚目のアルバム

『空の飛び方』(1994年)の

7曲目に収録されています。

 

 

☆なかなか手強い

  そんな相手にこそ燃えるのだ!

 

 

※あくまで私なりの解釈で、

 これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。

 【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。

 

 

魅力的な「君」に首ったけの「僕」

「僕」の思いを、するりとうまくかわす「君」

恋人関係でもなく

「君」の本心もわからないまま

ひたすら追いかける「僕」

甘い果実に手は届くのか?

 

 

Wikipediaより

 

 

青文字は、

ラズベリー(作詞・作曲:草野正宗)より抜粋

 

 

泥まみれの 汗まみれの 短いスカートが

未開の地平まで僕を戻す?

「泥まみれ」「汗まみれ」という表現には

「君」は「僕」より世慣れしている、

人生経験が豊富なイメージがあるのですが。

 

もしかしたら、年上とか、

恋人がいるとか人妻とか。

 

でも「短いスカート」という表現に

挑発的ではあるけど

幼さの残るチャーミングな女性で

男を翻弄するタイプな感じがします。

 

「未開の地平」は、二人で歩む未来とかでは。

そこに「僕を戻す?」と尋ねています。

「僕」と一緒に人生を歩んでくれるの?

どうやら「君」も

「僕」のことが好きなのかも、と思っています。

 

「?」で終わる言葉は

「僕」の疑念というか、

「君」への問いかけ・確認だと思います。

 

 

あきらめてた歓びがもう目の前 急いでよ

駆けだしたピンクは魔女の印?

自分には無理だと思っていた「君」が

「僕」に笑顔をふりまいてくれるんです。

夢じゃないかと思いながら、

「僕」は「君」の後を追います。

 

「ピンク」は憧れの対象(「君」)。

でも、ここでもふっと疑念が湧きます。

「魔女の印?」

「僕」は今までの経験から、

自分には太刀打ちできないかも、

結局振り回されるだけかも、と不安になります。

 

 

水のようにまわり続けて 光に導かれていくよ

それでも、先を行く「君」(光)を目指して

「君」に首ったけな「僕」は

「君」を追いかけ続けます。

 

「水のようにまわり続けて」は、

無意識に

「君」に翻弄され続けてるのだと思います。

 

 

チュチュ 君の愛を僕は追いかけるんだ

どんなに傷ついてもいいから

もっと切り刻んで もっと弄んで

この世の果ての花火(*)

「君」の愛を得るためには、

どんなことでもする。

「切り刻んで」「弄んで」は、

「僕」にかまってほしい、

ちょっかいを出してほしい、

という「僕」の願望で

「僕」にもっと興味を持ってほしい、

「僕」をもっと特別な存在にしてほしい、

ということじゃないでしょうか。

 

その願望が叶えば、

この世の果ての花火を見るように

もう何もいらない、Max幸せ!という感じ。

 

 

 

おかしいよと言われてもいい ただ君のヌードを

ちゃんと見るまでは僕は死ねない

ここは人前で歌うのが難しい部分。

 

でもこれは、

「君」の本心・本当の姿を

知りたいということではないでしょうか。

「君の全てを知りたいんだ」ということで

「君のヌード」と過激な言葉をあえて使ったのでは。

 

 

「君」は人妻かもしれないのに

「僕」に気があるようなそぶりをする。

(それって道徳的にどうかと思いますがね。

 ぎりぎりセーフなんでしょうか?)

 

「僕」としては、

「君」がどういうつもりなのか、

本当に配偶者或いは恋人がいるのか、

その人とちゃんと縁を切るのか、

単なる遊びなのか、

そして一番気になるのは

「僕」のことを本気で好きなのかどうか。

そこをちゃんと教えてほしい。

 

でないと「死ねない」というのは

大げさかもしれないけど

「人としては」道徳的にもまっとうだと思うのです。

 

「おかしいよ」と「君」が言うのは

「君」からすると

「私たち、友達でしょう?」というスタンスなのかも。

 

肝心なところでうまくはぐらかされてる感じ。

 

 

 

しょいこんでる間違いなら うすうす気づいてる

でこぼこのゲームが今始まる

この2行で、どうやら「君」とは上記のような

難しい関係のようだとわかります。

 

「でこぼこのゲーム」は、

モトクロスのように山あり谷ありの、

世間的には二人のこれからが平坦ではないような、

また、

「僕」を挑発してるようだけど、

「僕」が追えば「君」は逃げるというような

一筋縄ではいかないような難しい関係も暗示させます。

 

でも「僕」はそんなことは百も承知なんでしょう。

 

 

 

穴を抜けてこっちへおいでと

五円玉のむこうから呼ぶよ

子供の頃、公園のトンネルの先で

「ここまでおいで~」と呼ばれて

急いでトンネルをくぐっていくと

その子は今度はジャングルジムのてっぺんにいて

「こっちだよ~」と呼ぶ。

 

その子のことが好きで、

自分をそうやってからかってくれると

何とかその子とずっと一緒に遊びたいと

頑張って追いかけたりしますよね。

(しないか、そんなこと)

 

この歌の「君」もそうやって、

「僕」を呼んでるようなんですが、

「五円玉」ではとてもじゃないけど

くぐれません。

実際に五円玉で誘ってるわけではないと思いますが。

 

この「君」は、

「僕」が絶対に追いついて来られないことを承知で

わざと困らせてるような気がします。

 

百歩譲って、

「僕」にそこまでの強い気持ちがあるのか

試しているとも考えられますが・・・。

 

 

「月」に帰らないといけないから

誰とも結婚するわけにはいかず、

求婚してくる男性に無理難題を出していた

かぐや姫」のようではないですか!

 

現代の「かぐや姫」か?

 

はっ!

黄色い月が呼ぶ 君が生まれたところさ

       「月に帰る」(スピッツ

って、ありましたね・・・。

 

二人は現世では決して結ばれることはない

ほどけた裸の糸でめぐり逢えた

        「月に帰る」(スピッツ

関係だったのでしょうか、本当に。

 

lovetopaz.hatenablog.com

 

 

そう考えると、

「君」の本心はどうなんでしょうか?

 

 

チュチュ 君の前で僕はこぼれそうさ

ずっとワクの外へ すぐにも?

それでも「君」のことが大好きな「僕」は、

世間の常識や風当たりなどどうでもいい、

「君」とならどこへでも、という覚悟をもっています。

でも、

肝心の「君」の本心(ヌード)が見えないので

多少躊躇があります。

 

でも、「僕」を誘うようなそぶりの「君」は

待ってくれそうにないのです。

だから「すぐにも?」

「君」の言動に戸惑っています。

 

 

もっと覗き込んで もっと潜りこんで

ねじれた味のラズベリー(**)

「覗き込んで」「潜りこんで」は、

両方とも「僕」の願望です。

「君」の気持ちが今ひとつ掴めないので

「君」の心の中を探りたいのです。

疑ってるわけじゃないけど、戸惑ってる。

何を考えてるのか知りたい。

だから、ラズベリー「ねじれた」味。

 

 

この後、二人はどうなったのでしょうか?

 

 

ちなみに、

ラズベリーは甘酸っぱいイメージですが

生ではちょっと食べにくく、

ジャムやコンポートにしたほうが

おいしく食べられる果実だと思います。

見かけによらず、なかなか手強いってこと?

 

(*)

(**)くりかえし

 

 

【歌の感想】

 

初めて聴いたアルバム『Chrispy!』のあと、

次のアルバム『空の飛び方』が出たら、

つい借りちゃいました(すみません)。

 

この『空の飛び方』のジャケット、

なぜか不思議と好きなんです。

 

 

ラズベリー」を最初にとりあげたのは、

アルバムを聴いて、

この歌が一番好きだと思ったからです。

 

 

世間(スピッツファンの間)では、

スピッツの歌で上位に上がるほどの

「エッチソング」(敬意を表して)のようです。

 

その線で聴いていくと、

確かにそういう歌だなと思います。

 

ところが、これが出て最初に聴いたときから

私はずっと上記のような解釈で聴いてきました。

 

好きになってはいけない人を好きになり

ひたすら追いかけ振り回され続け、

相手の真意をずっと求め続けている主人公が

かわいそうでもあり、滑稽でもあり。

 

今までのアルバムでも

そういう歌が多かったですよね。

 

でも若い時期って、

こういう向こう見ずな恋に陥ることってあるなぁと

ちょっと同情したりもしました。

 

あと、サビの「チュチュ」

男性バンドじゃなかなか歌わないよね、

というフレーズも

ポップなメロディと合っていて

いやらしくなくサラリと歌っている。

 

ファーストアルバム『スピッツ

「海とピンク」でも、「チューチュー」を連発してる。

もはや鼻歌レベルのように。

「海とピンク」も結構好きな歌なんですよね。

 

「海とピンク」も「ラズベリー」も、

全然いやらしく聴こえないところが

草野さんの魅力であり

スピッツというバンドのすごいところですね。

 

そう考えると

「名前をつけてやる」の「アア~ン、アアアア~ン」や

「プール」のCメロ「あ~、あ~あ~」も、

独特の色気があるけど

いやらしく聴こえないのはすごいところ。

 

(知らない人からすると、

 「チューチュー」やら「アア~ン、アアアア~ン」やら

 「あ~、あ~あ~」なんて、

 どんな歌なんだろうと思いますよね。

 きっとスピッツ好きの人が読んでくれていると

 勝手に思って書いてます。ご勘弁ください。)

 

 

余談ですが、「チューチュー」といえば

「きりきり舞い」(山本リンダ 1973年)

とってもキュートで可愛くて、大好きです。

ついつい男を振り回してしまう女の子の歌です。