また君に会いたいとか

日々の備忘録

【勝手に解釈】「波のり」(スピッツ)

 

 

こんにちは、トパーズです。

 

 

 

「波のり」(作詞・作曲:草野正宗は、

スピッツの3枚目のアルバム

『惑星(ほし)のかけら』(1992年)の

8曲目に収録されています。

 

 

☆君に決めたのさ

  (「オーバードライブ」?)

 

 

 

※あくまで私なりの解釈で、

 これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。

 【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。

 

 

イメージ写真
「波のり」って題名だけど空を飛んでるイメージ



 

青文字は「波のり」(作詞・作曲:草野正宗)より抜粋

 

この歌は、しょっぱなから

民族衣装の一種で、男性用下着の一種でもある装身具の

総称が登場します(回りくどい書き方)。

 

スピッツインパクト大きめな歌詞は多々ありますが、

これが一番じゃないでしょうか。

何より人前で歌い難いし、書きにくい。

 

 

私はその装身具の存在を知らず、初めて聞きましたが、

草野さんはよくご存じだったんですね。

 

 

カラオケや人前で歌いにくい歌詞をよく書けるな、

しかも後世に残る形にして、と驚きました。

洋楽では似たような感じの歌もいろいろありますが、

邦楽ではそうそうないのではないでしょうか。

 

 

でも、それこそが草野さんの手腕ですよね。

「えっ!?!?」「何それ」

強烈なインパクトを与えて

歌の世界に引きずり込んでいくという。

ご本人はライブでも涼しい顔で歌ってらっしゃる。

 

 

それが、

人のとはちょっと違うけど

と言っています。

 

そして、

そんなことはもういいのさ

と。

 

自分は天邪鬼で意地っ張りでひねくれてて

ちょっと変わってるのかもしれないけど

もうそんなことは、気にしない。

 

歌の冒頭でインパクト大なワードを使って

自分のアイデンティティを公言し認めている。

その装身具自体、その人の主張・個性でもありますよね。

 

ちょっと吹っ切れてるようですね。

 

 

ピンクのサーフボードで

九十九里に沿って飛ぶのさ

 

スピッツの歌に登場する「ピンク」は、

憧れの存在を指しているのだろうと思っています。

 

そして、本来波に乗るための「サーフボード」

「飛ぶ」と表現してるのがこの歌のポイントかと。

 

ユラユラとカモメ気分さ

という歌詞も出てくるように

僕は今、

空に舞い上がるような高揚感に包まれているのでは。

(のちに、「空も飛べるはず」と思ってるように)

何でもできるんじゃないかと。

 

でも

君の町まで届くかな

と、ちょっと弱気な面も見え隠れしています。

 

 

 

くたびれたロバにまたがった

ビキニの少女がその娘さ

 

迎えに行くから どうか待ってて

僕のこと 子犬みたいに

 

ずっと君のことが忘れられなくて、

一時は諦めかけたけど

やっぱり諦めきれなくて

もう一度君にアタックを試みる、

という感じじゃないでしょうか。

 

やっぱり君に決めた、と。

 

 

「くたびれたロバにまたがった」

という表現は、

 

可愛い君が好きなもの

ちょっと老いぼれてるピアノ

      (「スパイダー」)

 

と同じような意味ではないでしょうか。

 

君はもうビキニを着る大人なのだから

古い考えや先入観にとらわれて

変化や冒険を躊躇してていいの?

 

晴れた日の波のりは愉快だな

 

僕は気分的にはノリノリになってきている。

いけるんじゃないか、と。

喜んで待っていてくれてるんじゃないか、と。

 

でも、まだちょっと不安もある。

 

僕のこと覚えてるかな?

 

やっぱり僕なんて相手にされないんじゃ?、と。

 

そんな気持ちが、波のように

寄せては返している。

 

サーフボードに乗ったまま

波に乗れるか迷いながら漂ってる。

 

 

でももちろん

波に浮かんでるわけではなく、

実際に空を飛んでいるわけでもなく

車や電車で向かっているのでもなく、

自分の部屋でぼーっと、

もしかしたらまだ布団の中で

一人で妄想しているだけのように思います。

 

晴れた日に、やる気になって

いろいろ思い巡らせてる、

うまくいけば、バンバンザイだな、と。

 

 

 

【歌の感想およびその他の歌について】

 

この歌は、

スピッツの歌の「変態ソング」(敬意を表して)ジャンルの

上位に君臨する歌、というのが

どうも「通説」のようです。

 

私は、スピッツ独特の

「妄想ソング」(敬意を表して)

ではないかと思っています。

 

そうすると、

私の解釈は「少数説」いや、「異端説」かもしれません。

 

 

このアルバムの

4曲目「オーバードライブ」

7曲目「白い炎」にも通じる

一人でやる気になってる歌

ではないでしょうか。

ギアを上げて出力を大にして。

 

君の気持ちはどうかわからないけど

奮起している

妄想の歌ではないかと思っています。

 

 

そしてたぶん

アタックして「玉砕」(大げさ)か、

アタックすらできずに落ち込んでしまうか、

ということになってそうです。

 

 

その時の沈んだ気持ちを歌ったのが

同じアルバム6曲目のシュラフではないでしょうか。

尺八のようなフルートの音色が

悲壮感を高めている、

そして浮遊感もあり、不思議な気分にさせる歌です。

 

 

この「波のり」は、

イントロから「テケテケテケ」(死語?)という

ベンチャーズを思わせるギターリフがふんだんに使われ、

「サーフボード」「波のり」「カモメ」というワードで

明るいサマービーチに繰り出そうかという感じ。

波に揺られているかのような

空を舞っているかのような

ゆらゆらと漂って、

行ったり来たりしてる感じです。

そのせいでか、

「やる気あるんかい!」と

ツッコミをいれたくなるような、とにかくユルい歌。

 

 

7曲目の「白い炎」は、イントロから

「レイラ」(エリック・クラプトンを思わせる

あの独特のリフが印象的で

スキップするようなリズムと

手拍子も加わって

ひたすら自分を奮い立たせています。

頑張ってね!

 

 

10曲目「ローランダー、空へ」

このまま堂々巡りしてないで

上昇気流に乗らなくちゃ!みたいな

「やる気」を鼓舞する歌だと思います。

「棕櫚(しゅろ)の惑星(ほし)」は、

ほうき星ではないでしょうか。

ほうきの材料に棕櫚が使われるというだけでなく、

軽くてどこにでも行けるイメージ、

自由に思うように生きていける星というイメージからです。

でも、Cメロで

 白い翼と 白いパナマ

 渚の風を身体にまとう夢を見たのさ

と寝ぼけたことを言って、足取りはスローな感じ。

せっかくそんな夢を見たのなら、

ほら、頑張って!

間奏部分がボヘミアン・ラプソディ」(クイーン)っぽい。

 

 

そして、当たって砕けた

(当たってないのもあるかもしれないけど)

惑星(ほし)のかけらたちが宇宙を彷徨ってる様が

ラスト11曲目のリコシェ号」

シンセサイザーの演奏がまるで

流れ星が飛び交う宇宙を飛行しているようです。

昔、冨田勲の「組曲 惑星」(ホルストで聴いていた

宇宙空間の描写に似ていると思いました。

シンセサイザーの先駆者とも言われる冨田勲さんの

「惑星」は、ぜひアナログで聴いてほしい!

木星(ジュピター)」だけでも!!

 

 

 

このアルバムの主人公の「僕」は、

砕けて飛んで、燃え尽きていく「惑星(ほし)のかけら」を

リコシェ号」に乗って、

客観的に見ているのです。

(それは「夢を見ている」ということかもしれないが)