また君に会いたいとか

日々の備忘録

【勝手に解釈】「アパート」(スピッツ)

 

こんにちは、トパーズです。

 

 

まだ3枚目のアルバム。

気の遠くなるような枚数(曲数)があるので、

これからは気合を入れて端折って??いきたいと思います。

 

とはいっても、

私の好きな初期のスピッツ

自分の解釈を上手く表現しにくい部分もあって、

なかなか葛藤があります。

 

 

 

「アパート」(作詞・作曲:草野正宗は、

スピッツの3枚目のアルバム

『惑星(ほし)のかけら』(1992年)の

5曲目に収録されています。

 

 

☆僕は君と今でもそこにいる

 

 

※あくまで私なりの解釈で、

 これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。

 【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。

 

 

 

自分を心配して思い遣ってくれる彼女がいなくなって

初めて彼女の大切さに気付き

現実に突き落とされている。

 

いや、現実を直視できないで

まだ後悔と夢の中で漂ってる気がする。

君といた時間が僕にとってはもはや夢なのです。

だから「朝」も「季節」もない。

 

 

 

歌詞を少しずつみていきます。

 

 

君のアパートは今はもうない

だけど僕は夢から覚めちゃいない

 

「君のアパート」というところから

僕と君は同居してたわけじゃなさそうです。

 

でもそこは

二人の時を過ごしていた

思い出の詰まった場所なのでしょうね。

 

「今はもうない」という表現から

ちょっと古くなったアパートなのかな。

 

 

スピッツの歌には、

古いアパートのベランダに立ち

僕を見下ろして少し笑った

という歌詞もあります(夏の魔物

 

lovetopaz.hatenablog.com

 

 

 

 

イメージ
もっと古いアパートだと思う。

 

 

この歌のアパートは、

老朽化したかで、取り壊されて

更地になってるか、

別の建物が建ってるのでしょうが

そこのところは問題ではなく

 

君も「今はもういない」ということ。

二人の時間ももう戻らない、ということ。

 

 

アパートはもうないけど

でも、僕の心の中には

君と僕がまだそこにいるのです。

 

 

一人きりさ 窓の外は朝だよ 

壊れた季節の中で

 

「窓の外は朝」だけど

僕の心にはずっと朝がきていない。

 

「壊れた季節」・・・、

僕の中で時が止まってしまったのでしょうか。

 

外の季節は移っても

僕の心には何も映らないのでしょうね。

「あの頃」の君と僕と、その後悔しか。

 

 

誰の目にも似合いの二人 

そして違う未来を見てた二人

 

「誰の目にも似合い」の二人は、

おそらく年も近く、

学生とかの

同じような状況だったのでしょう。

 

「そして」という接続詞は、

実際は「でも」という逆説の接続詞を使ってもいいところ。

 

「違う未来を見てた」ことに後になって気付き

そのあまりの痛手に、それを認めざるをえなく、

確かに自分とはそもそもベクトルが違っていたのか?と、

あえて「そして」と言ったような気がします。

草野さんだから。

 

 

 

小さな箱に君を閉じ込めていた 

壊れた季節の中で

 

「小さな箱に君を閉じ込めていた」という表現から、

君を監禁していたという解釈もあるようですね。

 

 

今となっては、ちっぽけでくだらないとさえ思える

自分の変なこだわりや見栄や意地や強気。

 

「若かった」といえばそれまでだけど

人の話もろくに聞かず

独りよがりの向こう見ずだったのかもしれません。

 

君は僕を思うがゆえに「理解者」だったのかもしれないけど

だんだん君の助言も聞かなくなったのかもしれません。

 

僕のつまらない意地や見栄で、

「理解者」であることを強要していたのかもしれません。

 

そういう意味で、じぶんのわがままで

「君をいつも困らせ辛い思いをさせていた」

あるいは、

「君を束縛していた」

ということかと思います。

 

 

そして、今となっては

当時は「壊れた季節」だったと言っています。

僕自身が迷いや挫折、

思うようにならない苛立ちとかで

自分自身や周りが見えてなかったのでしょうか。

 

 

そう 恋をしてたのは僕のほうだよ

枯れていく花は置き去りにして

いつもわがまま無い物ねだり 

わけも解らず 青の時は流れて

 

君は僕のことが好きで

そんな君を、僕も好きだった。

ずっと僕を「理解」してくれると思っていた。

そんな君が自分のそばにいるのが

当たり前だと思っていた。

 

「枯れていく花」は、ひとつには

君のことではないでしょうか。

僕を理解し尊重していたけど

自分の気持ちは彼には通じてくれないのでは、と

彼に付いていく自信を失ってきたのでしょう。

そして、優しい君は、

僕に気付かれずに悟られずに、

静かにそっと身を引いたのではないでしょうか。

 

「枯れていく花」のもうひとつの意味として、

自分の夢やこだわり、もあると思います。

意地っ張りで向こう見ずな僕は、

独りよがりな考えで物事を進めるあまり

君の助言など聞かず、

簡単に諦めてしまうところもあったのでは?

そして更には、

君が抱いていたかもしれない夢

(もしかしたら僕との未来)も

君はだんだん諦めざるを得なくなってきたのかも。

 

どちらの場合でも、

枯れてゆく花には水や養分をあげればいい

また元気に花を咲かせるかもしれない。

 

もっと君を気にかけていたら。

 

つまらない意地やこだわりで君を心配させ

そんな気を遣ってくれる君を

またもつまらない意地やこだわりで

つっぱねていたのかもしれない。

 

そばにいて手を差し伸べてくれる人を

置いてきぼりにして、

いつも「無い物ねだり」ばかり。

 

君がいなくなった訳に

後になってやっと気づいた感じです。

 

それは「青の時」=「若かった」と言っています。

ずっと「理解者」だと思っていた君が

ずっと僕のそばにいてくれて

僕はずっと夢を追い続けることができると

無邪気に考えていた若く未熟な人間だったことに

今更気づいた。

 

 

愛し合っていて

お似合いだと言われていて

同じ夢・未来を見てると思っていたけど

未来線は交わることはなかったわけですね。

 

 

 

 

君のアパートは今はもうない

だけど僕は夢から覚めちゃいない

一人きりさ 窓の外は朝だよ 壊れた季節の中で

 

僕の目には今でもそこに君のアパートがあり

いつも自分を思い遣ってくれていた君の笑みがある。

自分の夢や生き方を熱く語る自分と

それを温かく応援してくれていた君との

未熟だけど若い情熱がよみがえる。

 

それと同時に、

独りよがりになっていった自分、

少しずつ笑みが陰っていった君。

そんな情景が思い起こされ、

月日が経っても自分の中では

そこで時間が季節が止まったままなのです。

 

 

 

【歌の感想】

ハーモニカの音色が昭和のフォークソングを彷彿とさせます。

でも、赤ちょうちん」(かぐや姫 1974年)のような

裸電球のアパートではない。

赤ちょうちん」は女性目線の歌詞。

でも、どちらの歌にも何とも言えない悲壮感があります。

 

いなくなって初めて気づく君の大切さ。

自分の情けなさ。

 

彼を応援してたけど、

彼のこだわりに付いていけなかったのかもしれない。

ひょっとしたら彼女には彼女の夢があったのかもしれない。

この歌の二人がどうだったのかはわからないけど。

 

 

 

最初のAメロに戻って終わる歌。

スピッツにはいくつかあるけど、

自分の気持ちを反芻しているようで、好きです。

 

張りのない切ないボーカル、

それに対し、

イントロからアップテンポで軽快なリズム。

終始美しいアルペジオのギターと

独特のメロディーラインを奏でるベース。

途中に入るハーモニカの途方に暮れそうな音色。

それらが不思議と合わさって切ない失恋ソングになっています。

 

とりわけイントロ部分は、

スピッツの好きなイントロ10選に入ると思っています。

(10選がいくつあるかわからないけど)