わかったようでわからない、不思議なスピッツの歌詞
スピッツの歌は、簡潔なようでいて、なかなか難しい。
心地よいメロディーとともに
さらっと聴けるのだけど、
途中「?」となる引っ掛かりポイントがある。
そうするとそれが気になって仕方なくなり、
どういう意味だろうと考えてしまう。
どういう意味なのかわからないものもある。
でも、どういう意味かわからなくても
聴けてしまうのも不思議なところだけど。
自分の解釈が、他の人と違っていることもよくある。
聴き続けているうちに、当初の解釈と違ってくることもある。
そんなこともあり、数年前から自分の解釈をまとめていました。
ブログを始めてから、
ここに少しずつ「記録」していけばいいのではと思い、
【勝手に解釈】として書いていこうと思います。
なんでも、歌のテーマは「死とSEX」だと
早くから草野マサムネさんが明言していたらしいですが、
そんなテーマなど知らずに聴いていた私なりの解釈です。
どうにでも解釈できるような歌詞らしいですが、
草野さんから「正解」が明示されていないなら、
聴く人の数だけ解釈・物語があるのではないでしょうか。
【私が思うスピッツの歌詞の特徴】
= 本当の気持ちをカモフラージュ
そのために、
★独特な言い回しや言葉が使われている
これまでの邦楽曲は、曲に乗せた時に自然な言葉や
きれいな言葉が使われることが多かったように思います。
しかしスピッツの詩は、そういった言葉の中に
「トゲ」や「毒」を感じる言葉が混ざっているのです。
例えば「ムカデ」や「いびつ」など、
曲調や歌詞に不釣り合いな感じの言葉とか。
★素直な言葉なのに、意味が難解
言葉の一つ一つはとても簡単で、シンプルな表記。
そこに、「ちょっとひねくれた感」や「トゲ」を散りばめて
独特な世界を作り出しているように思います。
ストレートに表現しない。
キャッチーなワードや表現が多い。
それによって、聴く側の「!」「?」が多くなる。
アマノジャクだからか?(敬意を表して)
素直に表現しにくいのではないでしょうか(敬意を表して)。
キャッチーな言葉や表現でインパクトを与え、
本当の気持ちをカモフラージュしているように思います。
★幅広い解釈が可能
例えば、「君」という表現。
「君」のはっきりとした姿が描かれていないかぎりは、
いろいろな解釈ができると思います。
恋人? 元恋人? 片思いの相手? 友達?
親? 先生? 同性? 異性?
或いは、そんな「人」ではなく、
「夢」「希望」「憧れ」ともとれる。
また、「自分自身」のことだったりもある。
聴く人の状況・心情等によって、様々な物語になります。
ラブソングであったり応援歌であったり、
鎮魂歌であったりするのです。
歌詞解釈は楽しい作業です。
新しい発見もあり、飽きません。
どうしてもわからないときは、無理にわかろうとしない。
いつか、ハッとすることもあって、
それもまた楽しい。
引っ掛かりポイントは気になるけど
草野さんの本当の気持ちを探るのではなく
歌詞が紡ぐ不思議なスピッツワールドを旅していく感じです。