また君に会いたいとか

日々の備忘録

【お題】「春にして君を離れ」(アガサ・クリスティ)

 

 

今週のお題「名作」

 

 

 

 

「名作です!」とか、

「ぜひお薦めしたい!」とか、

そういう大それた意図はなく

私が衝撃を受けた作品で、

手元において読み返したいと思った

小説です。

 

 

 

 

アガサ・クリスティといえば、

オリエント急行殺人事件

そして誰もいなくなった

検察側の証人」等

有名な作品を数多く残し、

 

探偵「エルキュール・ポアロ」や

ミス・マープル」といった

個性あるキャラクターを生み出し

シリーズ化もされた、

 

「ミステリーの女王」といわれる

イギリスの推理小説作家です。

 

 

今では当たり前のようなトリックを

既にその時代に数々生み出しているのも

その功績といっていいと思います。

 

 

 

しかし、この「春にして君を離れ」は

それらのミステリー小説とは

少し趣が違う作品です。

 

 

 

私には好みの作品ではないような気がして、

最初はあまり期待していませんでしたが、

気がつくと、どんどん読み進んでいました。

 

読み終わると、

何とも言えない気分になりました。

 

悲しいというか、

辛いというか、

ずずんと重いというか、

怖いというか・・・

何とも形容しがたい気分です。

 

この読後感は、

人によって大いに違うと思います。

 

年齢や性別、

置かれている環境等によっても

違ってくると思います。

 

 

この本をクリスティが書いたということに

まず驚きました。

 

そして、

古今東西共通することってあるんだな、と

驚きました。

 

どうしてそう思ったか、

どういうところに驚いたか、等は

ネタバレになる恐れがあるので

触れないでおきます。

 

 

 

この本を手に取ったきっかけは、

何年か前、

図書館で何か借りようと

アガサ・クリスティの棚を見ると、

そこに残っている本はたまたま

既に読んだことのある本ばかりで、

読んだことがないのは

この「春にして君を離れ」だけでした。

 

裏表紙の紹介では

優しい夫、よき子供に恵まれ、

女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。

が、娘の病気見舞いを終えて

バグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った

友人との会話から、

それまでの親子関係、

夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる・・・

 

女の愛の迷いを冷たく見据え、

繊細かつ流麗に描いた

ロマンチック・サスペンス。

(裏表紙 解説:栗本薫 より)

 

と書かれていて

あまり興味が湧かなかったので

借りるのをやめました。

 

 

なぜかそういうことが3回ほど続き、

すると逆にこの本が気になってきて

思い切って借りたのです。

 

 

読んでみてよかったと思っています。

この本に巡り会えて良かったと思いました。

 

それまでの自分の人生や考え方を

省みる機会を与えてくれた作品だと

思っています。

 

 

時々読み返したいと思って

買って手元においています。