また君に会いたいとか

日々の備忘録

母の入院とスマホ

 

こんにちは、トパーズです。

いつも読んでくださって、ありがとうございます。

 

 

昨年秋に母が骨折で入院したとき、

急いでスマホを1台契約しました。

入院している母に持たせるためです。

 

高齢で入院すると、

認知症になりやすいと聞くので。

もちろん個人差があるでしょうが。

 

 

コロナの影響で面会に制限があり、

母とあまり話ができなくなるのは

寂しいと、焦りました。

 

そうでなくても、

まだ福岡にいる間から

父のガラケーではなく私のスマホ

病院から何回か電話がかかってきていました。

病院からの依頼や問い合わせは仕方ないけど

母からの頼みごとを看護師さんを通じて聞くのは

少し不便でした。

 

母と直接やり取りできた方が

意志の疎通ができていいと思いました。

 

 

買ったのは高齢者でも扱いやすいスマホ

父や私や妹の番号を

わかりやすい色と文字で登録して、

最初の面会の際に

ワンタッチで電話する方法を教え、練習しました。

 

母はスマホはおろかガラケーも使ったことがなく、

拒否感や抵抗があったようですが

近くにいる看護師さんや同室の人に教えてもらいながら

父や私に電話してくるようになりました。

 

私も父も、母からかかってくると嬉しくて

洗濯をしてても食事中でも

「あ、お母さんだ!」と

喜んで出て、いろいろ話をしました。

 

母が病院に持ってきてほしい衣類などは

父より私の方がしまい場所を知ってるし

頼みやすかったでしょう。

 

病院の食事は何を食べたとか

部屋を変わったとか

毎日朝・夕くらいに話ができるので

スマホを渡して本当によかったと

父と喜んでいました。

 

 

ところが入院から一週間も経った頃、

夕方かかってきた電話は驚くものでした。

 

「お父さんが勝手に自分を入院させた」と怒るのです。

家で転んで骨折したから手術したんよ、と話すと

そんなことはすっかり忘れているようで、

「あんた(私のこと)も知っとって騙したの?」

と言い出します。

何とか宥めて電話を切りましたが

私と父は凍りつきました。

 

手術後のせん妄が出たらしく、

珍しいことではないのですが、

いざ自分の母がそうなると

何ともいえない気持ちになります。

 

どうやら、

自分は邪魔者で

病院に追いやられたと思ったようです。

 

翌朝になると平常になり

いつもの穏やかな母なのですが

夕方の電話では人が変わったように怒り出します。

 

母は夕食を終え、歯磨きも済ませ

あとは寝るだけの状態になると

急に不安に陥るようです。

 

その時間が、

ちょうど父と私の夕食の時間と重なり、

母からの電話が鳴ると

私たちに緊張感が走るようになりました。

それまでは、すごく楽しみにしてた電話だったのに。

 

自分が転んだことも覚えてなくて

私たちを敵だと思って

憎んでるように聞こえる母との会話は

いくら一時的な症状で

やがて平常に戻るとわかっていても

ついビクビクしてしまい、

とても辛いものでした。

 

特に父が動揺していたので

母にスマホを持たせたのは

失敗だったかもしれないと後悔し、

申し訳なく思いました。

 

妹にその状況を話すと、

とても驚いていて

しかも妹には、入院してから

全く電話はかかってこないらしいのです。

 

一度夕方に妹から電話をかけてもらったら

母はまったく普通だったそうです。

 

攻撃の対象は父と私で

妹には心配はかけまいという自制心が

せん妄状態でも

母にはあったのでしょうか?

 

 

幸い、一週間もすると平常に戻って

私も父もビクビクすることもなくなり

安心して話ができるようになりました。

でもしばらくは、

せん妄とはいえ

母の悲しそうな訴えが耳に残って辛かったです。

 

 

退院してからも

もうそんなことは一度もなく

母も覚えてないと思います。

私や父からその時のことを母に話すことは

絶対にないです。

 

 

妹は、昨年はじめに孫が生まれてから

私にはラインで写真や動画を送ってくれていましたが

両親には見やすいように写真を引き伸ばして

都度郵送していました。

(ちょっと面倒だったらしい)

 

今では「母・私・妹」のグループラインを作り

お互いの孫の様子を

皆で共有しています。

 

写真や動画を大きな画面でいつでも見られるので

両親には喜んでもらっています。

妹にも、母に(両親に)スマホを持たせたことを

感謝されています。

 

一時は辛くて落ち込みましたが

何とかいい方向にいってくれてて

よかったと思っています。