「サンシャイン」(作詞・作曲:草野正宗)は、
スピッツの5枚目のアルバム
『空の飛び方』(1994年)の
11曲目に収録されています。
☆君は光、あの日のまま

※あくまで私なりの解釈で、
これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。
【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。
好きになってはいけない相手なのに
自分の気持を抑えられず、
君にずいぶん迷惑をかけてしまった
そんな
辛くてずっと避けていた過去
それでも優しかった君との思い出に
ちゃんと向き合ってはじめて
前を向いて
君の存在を糧にできる気がする
夏の強い日差しに咲く花のように
ずっと強く明るく
君の人生を生きてほしいという
僕の懺悔の歌
青文字は、
「サンシャイン」(作詞・作曲:草野正宗)より抜粋
困らせたのは 君のこと
なぜかまぶしく思えてさ
それまでは、ただの友人か知人だったのに
何かのきっかけで意識するようになる。
よくあることですよね。
でも、「困らせた」というワードで、
好きになってはいけない相手
例えば既にステディな相手がいるとか、
僕のワガママでさんざん振り回したとか、
なのかな、と
思いました。
すりガラスの窓を 開けたときに
よみがえる埃の粒たちを 動かずに見ていたい(*)
「すりガラスの窓」は、
僕の曇った心ではないでしょうか。
見られたくないし、見るのも辛い、
心苦しくて触れたくない部分。
本当は大好きなのに
わざと憎まれ口をたたいたりして
さんざん困らせてしまった。
君には婚約者がいたとか・・?
どこかで君との間に深い溝が
できてしまったのでしょう。
そんな苦い思い出を
ずっと直視できないでいたのです。
クリアーな窓(心・思い出)なら
いつでも振り返ってみることができるけど、
すりガラスで、見えないように塞いでいるのです。
見る勇気がない。
振り返るのが怖い。
辛すぎて。
でもやっと
省みようと思ったんですね。
省みるべきだと。
閉ざしていた心の窓を開けてみると、
自分の過ちで傷つけた君との思い出が
埃のように舞い上がってきた。
そんな埃(苦い思い出)を
はらったり、よけたりしないで
ちゃんと直視したい。
自責の念をこめて。
サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ
サンシャイン 寒い都会に降りても
変わらず夏の花のままでいて(※)
君は去ってしまうのでしょう。
君の前途はきっと明るいはずだ。
きっと幸せがくる。
「白い道」という表現に
舗装されてない
未知の可能性を秘めた道、
そして、
「白」という色に
明るい展望を想像します。
たとえ辛く厳しい現実が待ってたとしても
出会った頃のように
暑い日差しでも凛と咲く花のような
強く美しい君のままでいてほしい。
こげた臭いに包まれた
大きなバスで君は行く
「こげた臭い」は、
辛い別れで涙が出そうになって
鼻の奥がツンとしてるのではないでしょうか。
「大きなバス」は、
実際にはバスではないかもしれないけれど
「大きな乗り物」=「抗えない力」でもって
君と二度と会えない状況になることを
表してるように思います。
君は結婚して
自分とは離れてしまう(精神的に)とか。
そして、
ここで、ちらりと私の頭をよぎったのは、
君は亡くなったのかもしれないということ。
当時はまだ
『死と性』という
草野さんの歌詞のテーマを知らないで聴いていた頃。
(知ってからも、なぜか「死」はあまり意識しないけど)
まさかね、と思いながらも
不思議と
永遠の物理的な別れを予感したのを覚えています。
大きなバスは火葬場の扉
焦げた臭い・・・
君がなぜ亡くなったのかはわかりません。
君との間に溝ができてしまって
あまり会えなくなってしまい
最期のお別れもできなかったのではないでしょうか。
それって、すごく辛いことですよね。
心にわだかまりを残したまま
もう全てを話すことも
謝ることもできない・・・。
不謹慎ながらそんな気がしたのも確かです。
許された季節が終わる前に
散らばる思い出を はじめから残らず組み立てたい
君が去ってしまう前に
取り返しのつかない苦い思い出を
出会った頃の楽しかった思い出から
振り返ってみたい。
「散らばったもの」を「組み立てる」
という表現は
草野さんの歌詞にたくさん登場します。
「散らばったもの」は、
思い出や記憶の断片・かけら
離れ離れになった心や未練。
「組み立てる」は、
もう一度ちゃんと思い出してみる、
初めから思い出をなぞっていく、
或いは
叶わなかった夢を思い描いてみる
という意味で使っているのでは、と
勝手に想像しています。
君の心を遠ざけてしまったのは自分だけど
そんなわがままを
君は許してくれるだろうか。
わかってくれるだろうか。
何を言っても何をしても
もう遅いことはわかってるけど。
サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ
サンシャイン めぐる風によろけても
変わらず夏の花のままでいて
(*)くりかえし
(※)くりかえし
きっと幸せが待ってるよ。
思い出して辛くなることがあっても
明るく強い君のままでいてほしい。
もし君は亡くなったのだとしたら、
「白い道」は、永遠に舗装されない道。
僕にとって君との未来がなくなれば
舗装など綺麗に手を加えないで
未開拓のままであってほしい。
僕の未来は
君がいなければ輝くことはないのだから。
そしてこの先僕が自信をなくして
目的もなくして
力尽きそうになっても
君はずっと僕にとっての光であってほしい。
僕が迷わず進めるように。
いつか君の元へ。
サビの歌詞は、
君が生きているか否かで
意味が変わってきますね。
いずれにしても
君は僕を導く「サンシャイン」なのです。
【歌の感想】
「サンシャイン」という題名が
別れの歌に希望を投げかけているような
気がします。
それは、
君=夏の花というところから
絶え間なく注ぐ陽の光のような君
という意味。
と同時に
傷つけた君の未来が
陽の注ぐ明るいものであるように、
という僕の懺悔の意味もあるのかな
と思います。
死別かな、とも思いました。
初めて「死」を意識した歌です。
「君」の「存在感」が感じられないんです。
当時は、そんなわけないと
あまり深く考えませんでした。
個人的には、君には生きていてほしいです。
イントロからずっと乾いた感じのメロディで、
しかもマイナー調。
そしてAメロが始まる時
一瞬(1拍め)、何とも切ないコードになります。
サビのあとや、
間奏のあとでも、
同じように一瞬辛いコードがきます。
初めて聴いた頃から
ちょっと「ゾワっ!」とします。
イントロや間奏が乾いた明るい感じなので
なおさら。
その変化がとても印象的な歌で
アルバムの最後を飾るにふさわしい
何とも言えない余韻があると思います。
しかも、サビから入ってくる明るく硬い感じの鍵盤音が
胸にずんと切なく響きます。
歌の終わりは
草野さんのきれいな裏声で
フェードアウトしていくのも
切なくて好きです。