また君に会いたいとか

日々の備忘録

【勝手に解釈】:「待ち合わせ」(スピッツ)

 

こんにちは、トパーズです。

 

 

「待ち合わせ」(作詞・作曲:草野正宗は、

スピッツの2作目のアルバム『名前をつけてやる』(1991年)の

8曲目に収録されています。

 

 

☆ちょっと会えないだけで、底なしの不安

 

 

※あくまで私なりの解釈で、

 これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。

 【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。

 

 

 

「君」からの連絡が疎遠になってきたのでしょうか。

若い「僕」の苛立ちと妄想ぶりがちょっと痛々しい。

 

「君」は結局、来たのでしょうか?

 

 

 

歌詞を少しずつ見ていきます。

 

 

だけど君は来ない待ち合わせの星へ 約束した場所へ

最後のキス そっとふれた頬

 

冒頭の「だけど」

この一言で心の乱れぶりが伝わります。

 

「待ち合わせの星」という表現から、

時空を超えた宇宙レベルで結ばれた特別な関係、

遥か昔から運命的に決まっていることだと

信じて疑わない僕の執念が感じられます。

 

いつも別れ際にキスをするんですね。

離れる寂しさと、

君が戻らないかもしれない不安。

そして君の頬にそっと触れてみるんですね。

君との運命的な結び付きを信じてるつもりなのに

とめどなく不安が襲ってくるんでしょう。

 

だからそのキスも君の頬の感触も

僕はずっと覚えてるんですね。

 

シャボン玉の中でぬくもり確かめた 震え押さえながら

飾りのない恋 ドロドロの

 

ちょっと触れたら壊れる「シャボン玉」のように

二人の関係はあまりに儚く脆いのだと思います。

薄氷を踏むような君との時間を過ごしているのでしょうね。

 

君といる喜びに震え、

君が離れていく不安に震え、

そんな感情を押し殺し、

いつも君の愛を確かめようとしていたのでしょう。

 

「ドロドロ」は、俗にいう不倫的なもののイメージです。

もしかしたら君には、恋人や夫がいるのかもしれませんが、

私はどちらかというと

あまりに大きい二人の熱量の差だと思います。

仮に不倫関係だとしても、そんなことはどうでもよくて、

ただただ君の愛が欲しいと思っているのです。

 

落ちた恋に盲目になってるようだけど、

「ドロドロ」と言えるあたりは、

客観的に見る余裕はあるようですね。

 

許されない恋だとしても、

報われない恋だとしても、

心から好きだったのですね。

 

(サビ)

待ちわびた僕の涙 落ちてにじむ様を見ていた

 

歌の最初から続く地団駄を踏んだようなリズムが

このサビでぐっとスローに変わります。

 

来ない君に気を落とし涙にくれます。

 

涙の粒は落ちて壊れ、やがてにじんで跡形もなくなる。

 

きれいな雫がにじむ様は、

僕の心も二人の思い出も

濡れてにじんで消えていってるようなのです。

 

そして君は来ない待ち合わせの星へ 約束した場所へ

帰らぬ日々 澄んだ水の中に

 

「そして」

見たくない現実を少し見ている。

また、今日も、君は来ない。

 

地団駄を踏んだようなリズムに戻ります。

 

(サビ)

 

そして君は来ない百万年前に 約束した場所へ

帰らぬ日々 澄んだ水の中に

 

「百万年前に」

執念の言葉ですね。

 

遥か昔から決まっていたことなのに。

僕はずっとずっと、気の遠くなるくらい待ってる。

 

君と過ごした幸せな日々は

流した涙の中に沈んでいってるよう。

深く沈んで、もう取り出せない日々。

もう戻らないかもしれない日々。

 

でもそれはきれいな思い出のまま沈んでいる。

誰も触れない。

 

はぁ、切ない・・・

 

 

 

 

【歌の感想】

 

気まぐれで思わせぶりな君に首ったけで、

さんざん振り回されてる様が実にかわいいです。

 

「来ないじゃないか!」という苛立ちと、

「このまま来ないのでは?」という不安で

いてもたってもいられないようです。

 

ちょっと会えないだけかもしれないのに・・。

ちょっと約束に遅れるだけかもしれないのに・・。

過剰に不安になってるようにも見えますが。

 

君は僕より年上でしょうか。

若い僕は君を引き留めることができないんでしょうね。

自分だけのものでいてほしいという気持ちが

空回りしっぱなしのようです。

 

そのうち君がふらっと現れると、

嬉しさのあまり、苛立ちなんてなかったように

咎めることもなく、すべて許してしまうんですね。

 

ふらっと現れた君との嬉しくも儚い逢瀬を歌ったのが

同アルバムの「プール」ではないでしょうか。

 

lovetopaz.hatenablog.com

 

 

草野さんの声や歌い方も、

投げやりなようで切なさを感じます。

周りのギターやドラム、ベースもガチャガチャしてて、

上がった心拍数や血圧(?)のよう。

最初から最後までガチャガチャしています。

 

 

最初にこの歌を聴いたとき、

『こしゃくなTEL』(安全地帯)を思い出しました。

こちらも相手の心が掴みきれてないような歌で、

苛立ちがかわいそうなくらい伝わってきます。

若い玉置さんの苛立ったボーカルがセクシーです!

周りの演奏も独特の苛立ったリズムを刻んでいます。

 

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。